理学療法士国家試験の勉強を始めようと思っても
「いつから本格的に勉強すればいいの?」
「実習が終わってからでも間に合う?」
「過去問は何年分やればいい?」
「模試の点数が低いけど大丈夫?」
このように不安になる学生さんは多いと思います。
結論からいうと、理学療法士国家試験の勉強は、できれば最終学年の春〜夏頃から少しずつ始めるのがおすすめです。
ただし、早く始めれば必ず合格できるというわけではありません。大切なのは、時期ごとにやるべき勉強を整理して、効率よく進めることです。
この記事では、理学療法士国家試験に合格するための勉強開始時期、年間スケジュール、過去問の使い方、模試の点数が伸びないときの対処法について解説します。
理学療法士国家試験の勉強はいつから始めるべき?
理学療法士国家試験の勉強は、最終学年の4月〜6月頃から始めるのが理想です。
理由は、国家試験の範囲が非常に広いからです。
理学療法士国家試験では、解剖学・生理学・運動学などの基礎科目だけでなく、神経疾患、整形外科疾患、内部障害、評価学、治療学、義肢装具、地域理学療法など、幅広い分野から出題されます。
特に、理学療法士国家試験は一般問題と実地問題に分かれており、実地問題は1問3点で配点が高いのが特徴です。第61回理学療法士国家試験では、一般問題が1問1点、実地問題が1問3点で、総得点167点以上かつ実地問題41点以上が合格基準でした。
そのため、単純な暗記だけではなく、症例を読んで考える力も必要になります。
とはいえ、4月から毎日何時間も勉強しなければいけないわけではありません。最初は1日30分〜1時間でも十分です。
早い時期は、いきなり過去問を解きまくるよりも、苦手分野を見つけたり、基礎科目を復習したりすることが大切です。
国家試験の概要を確認しておこう
まずは、理学療法士国家試験の基本を確認しておきましょう。
理学療法士国家試験は、例年2月下旬ごろに実施されます。第61回理学療法士国家試験の筆記試験は、令和8年2月23日に実施されました。
出題形式は主に5肢択一のマークシート形式です。
問題は大きく分けると、
- 一般問題
- 実地問題
の2種類があります。
一般問題は基礎知識を問う問題が中心です。
実地問題は、症例や検査結果、画像、評価内容などをもとに考える問題が多く、臨床的な判断力が求められます。
合格基準は毎年多少変動しますが、総得点だけでなく、実地問題にも基準点があります。つまり、全体の点数が取れていても、実地問題の点数が基準に届かなければ不合格になる可能性があります。
そのため、国家試験対策では、
「基礎知識」+「実地問題への対応力」
の両方を伸ばしていく必要があります。
4月〜6月:まずは基礎固めと苦手分野の確認
4月〜6月は、いきなり焦って過去問を完璧にする時期ではありません。
この時期に大切なのは、自分の苦手分野を把握することです。
特に確認しておきたい科目は以下です。
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 神経系
- 整形外科
- 評価学
国家試験では、応用問題や実地問題も出題されますが、結局は基礎知識が土台になります。
例えば、脳卒中の問題を解くには、神経解剖や運動麻痺の理解が必要です。
変形性膝関節症の問題を解くには、関節構造や歩行、筋力評価の知識が必要です。
つまり、基礎が曖昧なまま過去問を解いても、答えを丸暗記するだけになってしまいます。
この時期は、過去問を解いて点数を取ることよりも、
「どの分野が苦手なのか」
「どの科目で毎回つまずくのか」
「そもそも用語の意味がわかっているか」
を確認しましょう。
おすすめの勉強法は、過去問を少し解いて、間違えた分野を参考書で復習する方法です。
この時期に参考書を1冊用意しておくと、調べる時間が大幅に短縮できます。PT国試対策で最も使われている参考書が、メディックメディアのクエスチョン・バンク(QB)です。過去24回分の過去問を一括整理した上で、選択肢一つひとつに詳しい解説がついており、初めて国試対策に取り組む学生にも使いやすい構成になっています。理学療法士専門問題と共通問題の2冊に分かれているので、どちらも揃えておくと安心です。
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
この時期は、国家試験の全体像をつかむことを目標にしましょう。
7月〜9月:過去問に本格的に取り組む
7月〜9月は、過去問演習を本格的に始めたい時期です。
特に実習が終わっている場合は、ここから国家試験対策に集中しやすくなります。
この時期の目標は、過去問を通して頻出分野を理解することです。
理学療法士国家試験では、毎年まったく新しい内容ばかりが出るわけではありません。
出題のされ方は変わっても、頻出テーマはある程度決まっています。
例えば、
- 脳卒中
- パーキンソン病
- 脊髄損傷
- 関節可動域測定
- 徒手筋力検査
- 歩行分析
- 呼吸・循環
- 義肢装具
- ADL評価
などは、繰り返し出題されやすい分野です。
この時期は、過去問を解いて終わりにするのではなく、なぜその答えになるのかを確認しましょう。
正解した問題でも、たまたま当たっただけなら理解できているとはいえません。
過去問を解くときは、以下のように振り返るのがおすすめです。
- 正解の理由を説明できるか
- 他の選択肢がなぜ違うのか説明できるか
- 関連知識まで確認できているか
- 同じ分野の問題が出たら解けるか
過去問は「答えを覚えるもの」ではなく、出題パターンを学ぶ教材として使いましょう。
10月〜12月:得点力を上げる時期
10月〜12月は、国家試験対策でとても重要な時期です。
この時期からは、苦手分野の復習だけでなく、実際に点数を取るための勉強が必要になります。
目標は、模試や過去問で安定して合格ラインを超えられる状態に近づけることです。
この時期にやるべきことは、主に3つです。
1つ目は、過去問の反復です。
一度解いただけでは、知識はなかなか定着しません。
間違えた問題は、必ず2回目、3回目と解き直しましょう。
2つ目は、実地問題の対策です。
実地問題は配点が高く、合否に大きく影響します。
文章量が多く、苦手意識を持つ人も多いですが、実地問題には解き方があります。
まずは、問題文の中から重要な情報を拾う練習をしましょう。
例えば、
- 年齢
- 疾患名
- 発症時期
- 主訴
- 検査結果
- ADLの状態
- 禁忌事項
- 現在のリハビリ目標
このような情報に注目すると、選択肢を絞りやすくなります。
3つ目は、苦手科目を放置しないことです。
この時期になると、得意科目ばかり勉強したくなる人もいます。
しかし、国家試験では幅広い分野から出題されるため、苦手科目を完全に捨てるのは危険です。
苦手科目は、満点を目指す必要はありません。
まずは頻出分野だけでも得点できるようにしましょう。
1月〜試験直前:新しいことより復習を優先する
1月〜試験直前は、新しい参考書に手を出すよりも、これまで勉強してきた内容を復習することが大切です。
直前期にやるべきことは、
- 間違えた問題の解き直し
- 頻出分野の確認
- 暗記項目の整理
- 実地問題の演習
- 体調管理
です。
この時期に不安になるのは自然なことです。
「まだ覚えていないことが多い」
「模試の点数が安定しない」
「周りの人の方ができている気がする」
このように感じる人も多いと思います。
しかし、直前期に大事なのは、完璧を目指すことではありません。
取れる問題を確実に取ることです。
国家試験では、難問をすべて解ける必要はありません。
基本問題や頻出問題を落とさないことが、合格に近づくポイントです。
特に、直前期は生活リズムも重要です。
夜遅くまで勉強して睡眠不足になると、本番で集中力が落ちる可能性があります。
試験の数週間前からは、朝型の生活に整えておくと安心です。
過去問は何年分やるべき?
理学療法士国家試験の過去問は、最低でも5年分、できれば10年分を目安に取り組むのがおすすめです。
ただし、年数をこなすことだけが目的になってはいけません。
例えば、10年分を1回ずつ解いただけで復習しないよりも、5年分をしっかり復習して理解する方が効果的です。
過去問を解くときは、解説がわかりやすい問題集を1冊決めて、何度も繰り返すのがおすすめです。いろいろな問題集に手を出すよりも、まずは1冊を完璧に近づける方が効率的です。
過去問を使うときは、以下の流れがおすすめです。
- まずは時間を気にせず解く
- 答え合わせをする
- 間違えた理由を確認する
- 関連知識を参考書で復習する
- 数日後にもう一度解く
この流れを繰り返すことで、知識が定着しやすくなります。
また、過去問を解くときは、問題ごとに「理解度」を分けると便利です。
- ◎:自信を持って正解できた
- ○:迷ったけど正解した
- △:間違えた
- ×:まったくわからなかった
△と×の問題を中心に復習すると、効率よく点数を伸ばせます。
模試の点数が低いときの対処法
模試の点数が低いと、不安になりますよね。
しかし、模試の点数が低いからといって、すぐに不合格が決まるわけではありません。
大切なのは、模試の結果を見て落ち込むことではなく、どこで点数を落としているのか分析することです。
まずは、以下を確認しましょう。
- 基礎科目で落としているのか
- 専門科目で落としているのか
- 実地問題で落としているのか
- ケアレスミスが多いのか
- 知識不足なのか
- 問題文の読み間違いなのか
例えば、実地問題で点数が取れていない場合は、知識がないというよりも、症例の読み取り方に慣れていない可能性があります。
一方で、解剖学や生理学で点数が低い場合は、基礎知識の復習が必要です。
模試は、今の実力を知るためのものです。
本番ではありません。
点数が低かったとしても、苦手分野が見つかったなら、それは大きな収穫です。
模試の後は、必ず復習しましょう。
特に間違えた問題は、解説を読むだけでなく、関連する知識まで確認することが大切です。
勉強が苦手な人におすすめの進め方
勉強が苦手な人は、最初から長時間勉強しようとしなくても大丈夫です。
まずは、1日30分でもいいので、毎日続けることを目標にしましょう。
おすすめは、以下のような流れです。
- 朝:暗記系を10分確認
- 昼:過去問を5問解く
- 夜:間違えた問題を復習する
これだけでも、毎日続ければかなりの積み上げになります。
また、苦手分野は一人で悩みすぎないことも大切です。
友人に説明してもらったり、先生に質問したり、わかりやすい参考書や動画教材を使ったりするのも有効です。
国家試験対策では、難しい勉強法をする必要はありません。
大切なのは、
過去問を解く
→ 間違える
→ 復習する
→ もう一度解く
この流れを繰り返すことです。
まとめ:早めに始めて、時期ごとにやることを変えよう
理学療法士国家試験の勉強は、最終学年の春〜夏頃から始めるのが理想です。
ただし、勉強開始が遅れたからといって、諦める必要はありません。
大切なのは、今の時期に合った勉強をすることです。
4月〜6月は、基礎固めと苦手分野の確認。
7月〜9月は、過去問演習と頻出分野の理解。
10月〜12月は、得点力アップと実地問題対策。
1月〜直前期は、復習と体調管理。
この流れで進めると、無理なく国家試験対策を進めやすくなります。
国家試験は範囲が広く、不安になることも多いと思います。
しかし、正しい方向でコツコツ勉強すれば、合格に近づくことはできます。
まずは今日から、過去問を数問解くところから始めてみましょう。

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