理学療法士国家試験の勉強を始めると、多くの人が悩むのが、
「過去問は何年分やればいいの?」
「5年分で足りる?」
「10年分やった方がいい?」
「過去問を何周すれば合格できる?」
という点です。
私自身も国家試験対策を始めた頃は、「過去問を何年分やれば安心なのか」がわからず、不安になった経験があります。実際に勉強していたときは、過去問10年分を1周したあと、直近5年分を3周しました。その中で感じたのは、ただ年数を増やすことよりも、間違えた問題を繰り返し復習し、「なぜ間違えたのか」まで理解することが大切だということです。
結論からいうと、理学療法士国家試験の過去問は、最低5年分、できれば10年分を目安に取り組むのがおすすめです。
ただし、過去問は「たくさん解けばいい」というものではありません。
10年分を1回ずつ解いて終わるよりも、5年分を繰り返し復習して、正解・不正解の理由を説明できるようにする方が効果的です。
この記事では、理学療法士国家試験の過去問は何年分やるべきか、何周すればいいのか、効率的な復習方法、過去問を使うときの注意点について解説します。
理学療法士国家試験の過去問は何年分やるべき?
理学療法士国家試験の過去問は、最低でも5年分、余裕があれば10年分を目安に取り組むのがおすすめです。
まず、最低ラインとして5年分は取り組みたいです。
5年分を解くことで、国家試験でよく出る分野や、繰り返し問われるテーマが見えてきます。
理学療法士国家試験では、毎年まったく新しい問題ばかりが出るわけではありません。
問題文や選択肢の表現は変わっても、出題される内容にはある程度の傾向があります。
例えば、
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 神経疾患
- 整形外科疾患
- 内部障害
- 評価学
- 義肢装具
- ADL
- 地域理学療法
などは、毎年のように重要な分野として出題されます。
そのため、過去問を数年分解くことで、
「この分野はよく出る」
「この知識は何度も問われている」
という感覚がつかめるようになります。
一方で、10年分まで取り組めると、さらに出題傾向を広く確認できます。
ただし、10年分をやる場合でも、ただ解くだけでは意味がありません。
大切なのは、過去問を使って知識を定着させることです。
まずは5年分をしっかり固めるのがおすすめ
過去問の年数で迷ったら、まずは直近5年分をしっかり固めることをおすすめします。
理由は、直近の過去問の方が、現在の出題傾向に近いからです。
理学療法士・作業療法士国家試験では、令和6年の国家試験から「令和6年版理学療法士作業療法士国家試験出題基準」が適用されています。厚生労働省も令和6年版の出題基準を公表しています。
そのため、かなり古い問題だけに偏るよりも、まずは近年の問題から取り組む方が効率的です。
特に最初の段階では、
- 最新年度
- その前の年度
- さらにその前の年度
というように、直近の問題から取り組むと良いです。
厚生労働省は、理学療法士国家試験の問題と正答を公表しています。第61回理学療法士国家試験の問題・正答も公開されています。
公式問題を確認しながら勉強できるのは大きなメリットです。
ただし、公式PDFは解説がないため、独学で進める場合は、解説付きの問題集や参考書を併用すると勉強しやすくなります。
10年分やった方がいい人
過去問は最低5年分で十分な場合もありますが、以下に当てはまる人は10年分まで取り組むのがおすすめです。
- 早い時期から勉強を始めている人
- 基礎科目に不安がある人
- 模試の点数が安定しない人
- 実地問題が苦手な人
- よく出るテーマを幅広く確認したい人
- 余裕を持って合格ラインを超えたい人
10年分取り組むメリットは、出題パターンにかなり慣れられることです。
例えば、同じ神経疾患の問題でも、年度によって問われ方が違います。
ある年は症状について問われ、別の年は評価や治療、ADL、装具について問われることがあります。
このように、複数年分の問題に触れることで、1つの疾患をいろいろな角度から理解できるようになります。
ただし、10年分をすべて完璧にしようとすると、かなり時間がかかります。
そのため、勉強時間が限られている人は、まず5年分を優先しましょう。
そのうえで、苦手分野だけ過去10年分までさかのぼる方法もおすすめです。
過去問は何周すればいい?
過去問は、最低2周、できれば3周以上するのがおすすめです。
1周目の目的は、点数を取ることではありません。
自分の苦手分野を見つけることです。
1周目では、わからない問題が多くても大丈夫です。
むしろ、間違えた問題こそ大切です。
2周目では、1周目で間違えた問題を中心に復習します。
同じ問題をもう一度解いて、正解できるか確認しましょう。
3周目では、知識が定着しているかを確認します。
この段階で、正解の理由だけでなく、他の選択肢がなぜ違うのかまで説明できるとかなり良い状態です。
過去問を解くときは、次のように目的を分けると勉強しやすくなります。
| 周回 | 目的 |
|---|---|
| 1周目 | 苦手分野を見つける |
| 2周目 | 間違えた問題を復習する |
| 3周目 | 知識が定着しているか確認する |
大切なのは、ただ回数をこなすことではありません。
「3周したから安心」ではなく、
正解の理由を説明できるか
関連知識まで理解できているか
を意識しましょう。
過去問を解くときの基本的な流れ
過去問は、次の流れで進めると効率的です。
- まずは自力で解く
- 答え合わせをする
- 間違えた問題に印をつける
- 解説を読む
- 関連知識を参考書で確認する
- 数日後にもう一度解く
最初から参考書を見ながら解くよりも、まずは自力で考えることが大切です。
自分で考えてから解説を読むことで、
「なぜ間違えたのか」
「どこを勘違いしていたのか」
がわかりやすくなります。
また、間違えた問題は必ず印をつけておきましょう。
おすすめは、問題ごとに理解度を分ける方法です。
- ◎:自信を持って正解できた
- ○:迷ったけど正解できた
- △:間違えた
- ×:まったくわからなかった
復習するときは、△と×を優先します。
○の問題も、たまたま正解した可能性があるため、時間があるときに見直しましょう。
このように分類しておくと、直前期の復習がかなり楽になります。
過去問は答えを覚えるだけでは不十分
過去問を解くときに注意したいのが、答えだけを丸暗記しないことです。
もちろん、何度も解いていると答えを覚えてしまうことはあります。
それ自体は悪いことではありません。
しかし、答えだけを覚えてしまうと、少し問題文が変わっただけで解けなくなる可能性があります。
例えば、過去問で「パーキンソン病の特徴」を問われたとします。
その問題の答えだけを覚えるのではなく、
- パーキンソン病の四大徴候
- 歩行の特徴
- 姿勢反射障害
- すくみ足
- 薬物療法
- リハビリの注意点
まで関連づけて理解することが大切です。
国家試験では、同じ疾患でも違う角度から出題されます。
そのため、過去問を解いた後は、
「この問題から何を覚えるべきか」
を考えましょう。
過去問は、答えを覚えるためのものではなく、頻出テーマを理解するための教材です。
実地問題は特に過去問で慣れておく
理学療法士国家試験では、実地問題の対策も重要です。
実地問題は、症例や検査結果、画像、ADLの状態などをもとに考える問題です。
一般問題よりも文章量が多く、苦手意識を持つ人も多いと思います。
しかし、実地問題も過去問を使って慣れることができます。
実地問題を解くときは、問題文の中から重要な情報を拾う練習をしましょう。
特に注目したいのは以下です。
- 年齢
- 疾患名
- 発症からの時期
- 主訴
- 検査結果
- 画像所見
- ADLの状態
- 禁忌事項
- 現在のリハビリ目標
実地問題は、すべての情報が同じ重要度ではありません。
問題を解くために必要な情報と、あまり関係のない情報を見分ける力が必要です。
最初は時間がかかっても大丈夫です。
何度も実地問題を解くことで、少しずつ読み方に慣れていきます。
また、実地問題は配点が高いため、苦手なまま放置しないようにしましょう。
過去問を使う時期の目安
過去問は、最終学年の春〜夏頃から少しずつ始めるのがおすすめです。
時期ごとの使い方は、以下のようなイメージです。
| 時期 | 過去問の使い方 |
|---|---|
| 春〜初夏 | 少し解いて苦手分野を確認する |
| 夏〜秋 | 直近5年分を本格的に解く |
| 秋〜冬 | 間違えた問題を中心に復習する |
| 年明け〜直前期 | 頻出問題・苦手問題を繰り返す |
春〜初夏は、まだ点数が取れなくても大丈夫です。
この時期は、国家試験の全体像をつかむことが目的です。
夏〜秋は、過去問に本格的に取り組みます。
直近5年分を中心に解き、頻出分野を確認しましょう。
秋〜冬は、復習の質を高める時期です。
間違えた問題を放置せず、なぜ間違えたのかを確認します。
年明け〜直前期は、新しい問題に手を広げすぎるよりも、これまで間違えた問題や頻出問題を確実に取れるようにすることが大切です。
過去問を解いても点数が伸びない原因
過去問を何年分も解いているのに点数が伸びない場合、勉強方法を見直す必要があります。
よくある原因は以下です。
解いて終わりになっている
過去問は、解いた後の復習が一番大切です。
答え合わせだけして終わっていると、同じ間違いを繰り返してしまいます。
解説を読むだけで満足している
解説を読んで「わかった気になる」こともあります。
しかし、本当に理解できているかは、もう一度解いたときに正解できるかで確認する必要があります。
苦手分野を避けている
得意分野ばかり解いていると、点数はなかなか伸びません。
苦手分野は勉強するのがつらいですが、伸びしろが大きい部分でもあります。
答えを暗記しているだけになっている
過去問を何周もしていると、答えを覚えてしまうことがあります。
その場合は、関連知識を説明できるか確認しましょう。
例えば、正解の選択肢だけでなく、他の選択肢がなぜ間違いなのかを説明できれば、理解が深まっている証拠です。
過去問と参考書はどう使い分ける?
国家試験対策では、過去問と参考書の使い分けも大切です。
基本的には、過去問を中心にして、わからない部分を参考書で確認する流れがおすすめです。
最初から参考書を1ページ目から完璧に読もうとすると、範囲が広すぎて時間が足りなくなることがあります。
一方で、過去問だけを解いていても、理解が浅くなることがあります。
そのため、
過去問を解く
→ 間違える
→ 解説を読む
→ 参考書で関連知識を確認する
→ もう一度解く
という流れが効率的です。
参考書は、わからない部分を調べるための辞書のように使うと良いです。
国試対策におすすめの問題集・参考書
過去問を中心に勉強するなら、解説がわかりやすい問題集を1冊決めて、何度も繰り返すのがおすすめです。
理学療法士国家試験は範囲が広いため、いろいろな教材に手を出しすぎると、かえって復習が追いつかなくなることがあります。
問題集を選ぶときは、以下のポイントを確認しましょう。
- 解説がわかりやすいか
- 最新の出題傾向に対応しているか
- 苦手分野を復習しやすいか
- 何度も繰り返し使いやすいか
- 持ち運びやすいか
特に最初の1冊は、解説の詳しさを重視するのがおすすめです。
過去問を解いていても、なぜその答えになるのかがわからないと、知識が定着しにくいからです。
国試対策におすすめの問題集
理学療法士国家試験の過去問演習には、解説が詳しい問題集を1冊選んで繰り返し使うのがおすすめです。
📚 [クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説]
過去問は公式PDFだけでもいい?
厚生労働省の公式サイトでは、国家試験の問題と正答が公開されています。たとえば第60回理学療法士国家試験の問題と正答も公開されています。
そのため、公式PDFを使えば無料で過去問を確認できます。
ただし、公式PDFには詳しい解説がありません。
ある程度基礎ができている人なら、公式PDFだけでも勉強できるかもしれません。
しかし、独学で勉強している人や、基礎科目に不安がある人は、解説付きの問題集を使った方が進めやすいです。
公式PDFは、
- 本番形式に慣れる
- 時間を測って解く
- 最新年度の問題を確認する
といった使い方に向いています。
一方で、問題集は、
- 解説を読む
- 関連知識を確認する
- 苦手分野を復習する
ために使うと良いです。
過去問を解くときの注意点
過去問を使うときには、いくつか注意点があります。
古すぎる問題にこだわりすぎない
古い問題にも勉強になるものはありますが、出題基準や出題傾向が変わっている場合があります。
まずは直近5年分を優先し、余裕があれば10年分まで広げる形がおすすめです。
不適切問題や採点除外に注意する
国家試験では、まれに採点除外や複数正答になる問題があります。
過去問を解いていて「なぜこの答えになるのかわからない」と感じた場合は、公式の正答や採点除外の情報も確認しましょう。
すべてを完璧にしようとしない
国家試験の範囲は広いため、すべての問題を完璧にするのは簡単ではありません。
直前期は、難問にこだわりすぎるよりも、基本問題や頻出問題を確実に取ることを優先しましょう。
まとめ:過去問は5年分を基本に、余裕があれば10年分
理学療法士国家試験の過去問は、最低5年分、できれば10年分を目安に取り組むのがおすすめです。
ただし、年数をこなすことだけが目的にならないようにしましょう。
大切なのは、
- 正解の理由を説明できること
- 間違えた問題を復習すること
- 関連知識まで確認すること
- 実地問題に慣れること
- 直前期に苦手問題を解き直すこと
です。
10年分を1回ずつ解いて終わるよりも、5年分を何度も復習して理解を深める方が効果的です。
まずは直近5年分の過去問から始めて、間違えた問題をしっかり復習しましょう。
過去問は、国家試験対策の中心になる教材です。
正しく使えば、自分の苦手分野がわかり、得点力を伸ばすことができます。
焦らず、1問ずつ丁寧に取り組んでいきましょう。


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