理学療法士国家試験では、歩行分析に関する問題が毎年のように出題されています。
特に実地問題では、
・歩行周期
・筋活動
・関節運動
・異常歩行
などを組み合わせた問題が多く出題されます。
しかし、
「歩行周期が覚えられない」
「筋活動がごちゃごちゃになる」
「イラストを見ても何を考えればいいのか分からない」
という方も多いのではないでしょうか。
私自身も国家試験の勉強を始めた頃は、歩行分析が苦手でした。
歩いている様子を見ても、
「結局どこを見ればいいんだろう……」
と思っていたのを覚えています。
しかし、歩行周期・筋活動・関節運動をセットで考えるようになってから、少しずつ問題が解けるようになりました。
この記事では、国家試験で歩行分析問題を解くための考え方や、覚え方について解説します。
国家試験で歩行分析が頻出な理由
歩行は理学療法士にとって最も基本的な動作分析の一つです。
そのため国家試験でも、
・正常歩行
・異常歩行
・筋活動
・関節運動
・疾患ごとの歩行
など、さまざまな角度から出題されています。
歩行分析が理解できるようになると、
実地問題だけでなく、
整形外科
脳血管障害
神経疾患
などの問題も解きやすくなります。
まずは歩行周期を理解する
歩行分析で最初に覚えたいのは、
歩行周期です。
歩行周期とは、
片方の踵が地面に接地してから、再び同じ踵が接地するまで
を1周期とします。
歩行周期は、
立脚期(約60%)
遊脚期(約40%)
の2つに分けられます。
まずこの割合を覚えておきましょう。
その上で、
立脚期
・初期接地(Initial Contact)
・荷重応答期(Loading Response)
・立脚中期(Mid Stance)
・立脚終期(Terminal Stance)
・前遊脚期(Pre Swing)
遊脚期
・遊脚初期(Initial Swing)
・遊脚中期(Mid Swing)
・遊脚終期(Terminal Swing)
という8つの時期に分けて考えます。
歩行周期と筋活動はセットで覚える
国家試験では、
「どの時期に、どの筋肉が働くか」
を問う問題が頻繁に出題されます。
筋肉だけを暗記するのではなく、
歩行周期とセットで覚えることが重要です。
例えば、
前脛骨筋
前脛骨筋は、
初期接地では足部が急激に床へ落ちないように働き、
遊脚期では足関節を背屈させ、つま先が床に引っ掛からないようにしています。
国家試験でも非常によく出題される筋肉の一つです。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、
荷重応答期に膝関節が急激に屈曲しないように遠心性収縮を行います。
歩き始めに体重を受け止める重要な役割があります。
中殿筋
中殿筋は、
立脚中期で骨盤を水平に保つ役割があります。
この筋力が低下すると、
トレンデレンブルグ歩行
や
デュシェンヌ歩行
につながります。
国家試験でも頻出なので必ず覚えておきたい筋肉です。
下腿三頭筋
下腿三頭筋は、
立脚終期に最も強く活動します。
足関節底屈を行い、
身体を前方へ推進させる重要な筋肉です。
「つま先で地面を蹴る時に働く」
とイメージすると覚えやすくなります。
丸暗記ではなく「なぜ働くのか」を考える
歩行分析では、
筋肉を暗記するだけでは応用問題に対応できません。
例えば、
「中殿筋が働く」
ではなく、
「骨盤が反対側へ落ちないように支えている」
という役割まで理解することが重要です。
国家試験では、
筋肉の名前だけでなく、
その働きや役割
を問われることも多くあります。
そのため、
歩行周期
↓
筋活動
↓
役割
という順番で整理すると、記憶にも残りやすくなります。
私が歩行分析で苦労したこと
国家試験の勉強を始めた頃は、
歩行分析の問題を見るたびに、
「情報量が多すぎる……」
と思っていました。
歩いているイラストを見ても、
筋肉を見るのか、
関節を見るのか、
歩行周期を見るのか、
毎回迷っていました。
そこで私は、
①歩行周期
↓
②筋活動
↓
③関節運動
の順番で考えるようにしました。
すると、歩行分析の問題を見ても頭の中を整理しやすくなり、少しずつ苦手意識がなくなっていきました。
歩行分析は最初から得意な人は少ないと思います。
まずは「見る順番」を決めることが、国家試験攻略への近道だと感じています。
歩行分析問題は「原因」を考える
国家試験では、
「この歩き方だから、この筋肉が弱い」
というように、歩き方から原因を考える問題が多く出題されます。
そのため、
歩き方だけを見る
のではなく、
「なぜこの歩き方になっているのか」
を考えることが重要です。
例えば、
・中殿筋筋力低下
・前脛骨筋筋力低下
・下腿三頭筋筋力低下
・股関節可動域制限
・足関節背屈制限
などがあると、歩き方に特徴が現れます。
国家試験では、
筋活動
↓
歩行の変化
↓
原因
という流れで考えると解きやすくなります。
国家試験で覚えておきたい異常歩行
異常歩行は種類が多いため、最初は混乱しやすい分野です。
しかし、すべてを一度に覚えようとする必要はありません。
まずは国家試験でよく出題される歩行から覚えましょう。
代表的な異常歩行には、
・トレンデレンブルグ歩行
・デュシェンヌ歩行
・分回し歩行
・鶏歩(下垂足歩行)
・痙性歩行
・パーキンソン歩行
などがあります。
例えば、
トレンデレンブルグ歩行では、
立脚側の中殿筋が十分に働かないため、遊脚側の骨盤が下制します。
また、
鶏歩では、
前脛骨筋など足関節背屈筋群の筋力低下により、つま先が床に引っ掛からないよう股関節や膝関節を大きく屈曲させて歩行します。
このように、
「筋肉の働き」と「歩き方」を結び付けて覚える
ことがポイントです。
実地問題では問題文も重要
歩行分析問題では、
イラストだけを見るのではなく、
問題文
にも重要なヒントがあります。
例えば、
・疾患名
・年齢
・術後日数
・筋力低下
・疼痛
・感覚障害
などです。
私自身も国家試験では、
問題文を読みながら、
疾患名
発症時期
ADL
リスク
などに線を引いて整理していました。
すると、
歩き方を見る前に、
「この疾患なら何が起こりやすいか」
を考えられるようになり、実地問題が解きやすくなりました。
私が実際にやっていた歩行分析の勉強法
歩行分析は、一度覚えただけではなかなか身につきません。
私自身もQBで歩行分析問題を何度も解きました。
最初の頃は、
「また歩行問題か……」
と少し身構えてしまうこともありました。
しかし、
問題を解くだけではなく、
「なぜこの選択肢が正解なのか」
「他の選択肢はなぜ違うのか」
まで説明できるようにすることを意識しました。
過去問を繰り返し解いていると、答えだけを覚えてしまうことがあります。
そのため、
5つの選択肢すべてについて説明できる状態
を目標に勉強していました。
この勉強法は歩行分析だけでなく、国家試験全体の得点アップにもつながったと感じています。
国家試験だけでなく臨床でも役立つ
歩行分析は国家試験対策だけの知識ではありません。
新人PTになると、
歩行評価
は毎日のように行います。
私自身も新人時代に動作分析や歩行分析を改めて勉強しました。
国家試験では、
「試験のための知識」
と思っていた内容が、
実際の患者さんを見るときにも役立つことを実感しました。
そのため、
国家試験対策としてだけでなく、
「将来の臨床につながる知識」
という意識で勉強すると、モチベーションも維持しやすくなると思います。
おすすめ参考書
📚 メイン:クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説
(国家試験対策の定番。歩行分析問題も豊富に収録されており、解説を読みながら理解を深めることができます。)
📚 補助:観察による歩行分析
(歩行分析をより深く学びたい方におすすめです。写真やイラストが豊富で、歩行周期や異常歩行を視覚的に理解しやすく、国家試験だけでなく臨床でも長く活用できます。)
まとめ
歩行分析問題を攻略するためには、
・歩行周期を理解する
・筋活動をセットで覚える
・筋肉の役割まで理解する
・異常歩行の特徴を整理する
・問題文の情報も活用する
・過去問で繰り返し復習する
ことが重要です。
私自身も歩行分析は苦手でしたが、
「歩行周期 → 筋活動 → 関節運動 → 原因」
という順番で考えるようになってから、問題を整理しやすくなりました。
歩行分析は国家試験で頻出のテーマですが、一度理解すると実地問題全体の得点アップにもつながります。
ぜひ今回紹介した考え方を参考にしながら、過去問を繰り返し解き、歩行分析を得意分野にしていきましょう。


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